眠れない夜には怖い話を…恐怖の百物語!(第参夜)

眠れない夜には怖い話を…恐怖の百物語!(第参夜) 怖い話

きょうふのみそしる!?
【能天気カップル隼人(24)と千春(22)の話】

今日は久しぶりの千春とのデート。

ちょっとお高めのレストランでも行きたかったがあいにく給料前で余裕もなく、結局ファミレスでのランチになってしまった。

せめてウィットに富んだ会話で楽しませてやりたいが…おっ、千春が味噌汁をすすってるな。

ここはひとつ、味噌汁にまつわるお話をしてみるか。

「なぁ、きょうふのみそしるって話知ってる?」

千春「えっ、きょうふのみそしる?」

「あるところに毎日美味しいわかめの味噌汁をお母さんが作ってくれる家があった」

「でもある日その家の子供がいつもより遅く帰宅して玄関のドアを開けるとなんだかいつもと様子が違う。」

「なんだかいつもより家の中は暗く、人の気配がないように感じられた。」

「不審に思って子供がキッチンに入るとコンロの上の鍋から漂ういつもとは違う臭い。」

「注意深く近づいて鍋のふたを開けると…その日はいつもと違って麩(ふ)の味噌汁だった…」

「今日は麩の味噌汁…」

「今日、ふの味噌汁…」

「きょうふのみそしる…」

「恐怖の味噌汁!」

眠れない夜には怖い話を…恐怖の百物語!(第参夜)

千春「えっ、すごーい!」

千春は目をまんまるにして驚いている。

いやぁ千春は本当にかわいいな。

千春「きょうふのみそしるって聞いて一瞬私の知ってる話かと思っちゃった!」

「千春の知ってる話?」

千春「うん、業務用の味噌汁の粉末を作ってる工場があるんだけど、そこでバイトしてた若い子たちがツイッターにはまってて」

千春「なんとしてもバズりたくて工場の機械が停止してるチャンスにこっそり入り込んで機械にまたがったりベルトコンベアに寝っ転がった写真を撮りまくったんだって」

千春「一時期流行ったバカッターって感じ?」

千春「でも急に機械が動き出して…その時固形の味噌汁を粉末に変える機械の側で写真を撮ってた女の子の髪が巻き込まれちゃったんだ」

千春「みるみる機械に吸い込まれるその女の子の髪に引っ張られて彼女自身の頭も機械に引き寄せられて…」

千春「ガリガリガリ」

千春「頭部を削り取られちゃったんだって」

千春「恐怖!脳味噌汁!ってお話。」

「へ、へぇ~そんな話もあるんだぁ…」

千春の口から出た思ってもみないグロ話に内心慌てつつも冷静を装って自分の味噌汁を手に取って口元へ運ぶ。

千春「でも実際には脳味噌までは持ってかれなくて頭皮が数センチ持ってかれたくらいだったらしくて…誇大広告ってヤツだよね。」

千春「頭皮を削られた女の子やその場で一緒に悪ノリしてた他の人たちも会社にばれたらヤバいっていうんで事故を隠蔽したみたい。」

千春「だから今ごろどこかの店では頭皮の肉塊入りの味噌汁が出回ってるかもしれないよね~。」

「そ、そうなんだ~」

千春の話で一気に食欲は失せてしまったが口元まで持ってきた味噌汁を飲まないわけにもいかず一口だけすする。

「コリッ」

味噌汁には似つかわしくない弾力の何かを噛んだ。

俺は、確認することをやめて、ゴクリと飲みこんだ。






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